新日本プロレス対プロレスリング・ノアの対抗戦の感想を遅ればせながらの巻

待ちに待った両団体による対抗戦が1月8日に横浜アリーナで開催された。
すでに2週間経ってしまったが、想像以上に楽しめたので数年振りに全試合の感想という名の駄文をお送り致します。

第0-1試合

藤田晃生対矢野安崇
実質第1試合から素晴らしい攻防!
実況で知ったが2人は同郷でレスリングの階級も同じだったとか。学生時代に絡みがあったのか分からないが、只でさえ熱くなる若手同士の対決、年齢も近く更にバックボーンも同じではお互い燃えるものがあっただろう。
前半は矢野が細かいテクニックを披露、後半は藤田が盛り返し熱戦のままドロー。
コロナ禍で海外渡航が難しいから若手の交流戦とか定期的にやってみてはどうか?

第0-2試合

天山広吉、小島聡、永田裕志

キング・タニー、モハメド・ヨネ、齋藤彰俊
新日本は第3世代、対するはファンキーエクスプレス。
1.5にNOAH勢が乱入した時にも場違い感が凄かったキング・タニー。
正直、潜在能力的にはもっと上の方の試合に出なければダメなレスラーなのだが、もうこの位置で落ち着いてしまうのだろうか。
これまでの激闘で受けたダメージと加齢による老いで動きが鈍ってきた第3世代と絡んで満足しているようでは先がないぞ。

第1試合

石井智宏、後藤洋央紀、YOSHI-HASHI、田口隆祐、マスター・ワト

原田大輔、大原はじめ、稲葉大樹、稲村愛輝、岡田欣也
この一戦の注目は石井対稲村、これに尽きる。
どちらも真正面からぶつかり合うスタイルでスイングしないわけがない。
試合後のコメントでも石井ちゃんが稲村を認める発言をしていたし、いずれはシングルで戦う日も来るだろうね。
あと、メキシコ時代に行動を共にしていた後藤と大原の邂逅を目に出来たのも地味に嬉しかった。洋央紀の黒袴は大原と組んでいた時から使い始めたんだよなあ。懐かしい。

第2試合

SHO対小峠篤司
この試合だけは組まれた意味を見出だせない内容となった。
SHOとすれば現在のスタイルを崩すわけにはいかないし、小峠としてはやり辛さがあったのでは。
今大会、唯一のシングルマッチがこれではね。
お互い良い選手なだけに普通に戦える環境だったら良かったのに。敢えてここでやる必要あったのか?疑問でしかない。

第3試合

石森太二、外道

HAYATA、吉岡世起
新日Jr.対NOAH Jr.と言っても誰一人として生え抜きではないタッグマッチ。
まあ、それを言ったらお終いだが。
石森自身も相手の事を「NOAHの人ではなく、NOAHに出てる人」という認識らしいから、本人は気持ちが乗ってなかったのかもな。
それでも石森、吉岡、HAYATAの3人はスピード&テクニックに秀でているので噛み合っていたと思う。
外道は相変わらずの受けの巧さ。ヘデックを頭から突き刺さらずダメージを最小限に抑えて敗退。

第4試合

エル・デスペラード、DOUKI

YO-HEY、NOSAWA論外
鈴木軍対PERROS DEL MAL DE JAPONのタッグマッチ。
新日ファンやデスペの目に止まったのは、やはりYO-HEY。
パッと見はチャラけたキャラに目が行きがちだが、その実なかなかのテクニシャンでレスラーとして巧さを持ち合わせている。
数年前には娘さんとNOAHの会場を訪れた馳浩も「色気があり魅力満載、コイツ伸びる」と認めたほど。デスペとの対戦やBOSJ参戦とかなったら面白そう。
NOSAWAは黒虎の覆面を被っていた時にやらかして以来の新日マットだっただけに感慨深いものがあったようだ。

第5試合

鈴木みのる、タイチ、TAKAみちのく

杉浦貴、桜庭和志、矢野通
鈴木軍対杉浦軍の対戦。本来であればKENTAが杉浦軍として戦う予定だったが、1.5のノーDQマッチで怪我を負ってしまい欠場。
それ自体は仕方のないことではあるが、代役が矢野通では対抗戦のテーマがブレブレ。
代わりが藤田和之かケンドー・カシンなら楽しめたのだが。

第6試合

EVIL、ディック東郷

潮崎豪、マサ北宮
HOUSE OF TORTUREは相変わらずの傍若無人なファイトスタイル。
ファンからも非難轟々な面々だが、ここまでブレないのはある意味凄い。
対戦相手がNOAHであろうと、その闘い方は変えず。
団体関係なく勧善懲悪モノの王道のような流れでフィニッシュ。潮崎が豪腕ラリアットで東郷を沈めた。

第7試合

ザック・セイバー・ジュニア、金丸義信

丸藤正道、小川良成
対抗戦ではなく、NOAHの同窓会。
ザックが留学生としてディファ有明の道場で汗を流していた頃に世話になった二人が対角線上に。
特に小川とはタッグを組んでいた仲。師匠と弟子といってよい関係だ。
懐かしい絡みと今の闘いが組み合わさった好試合に。
トップレスラーとなったザックが緑のマットに凱旋してNOAH勢を極めまくる姿を見たいと思ったのは自分だけではないだろう。

第8試合

内藤哲也、鷹木信悟、SANADA、高橋ヒロム、BUSHI

拳王、中嶋勝彦、征矢学、タダスケ、亜烈破
GARLIC BOYSの「失恋モッシュ」で先に入場してきた金剛はリング上でお決まりのポーズを披露。
と、ここまでは格好良く観客を惹き付けていたのだが、ロスインゴが個別に入ってきてリングで対峙した途端、チームとしての格の違いが明らかに。
圧倒的にL・I・J側に華やかさがあり、メンバーも実力者のみで構成されていると誰しもが認識したのではないか。
しかし、試合が始まってみると中々どうして金剛も負けていない。
拳王と中嶋は打撃で、征矢はパワフルさ、亜烈破はスピードで魅了。
「こうなるとタダスケが割を食っちゃいそうだな…」と思ったら、前IWGP世界ヘビー級王者である鷹木信悟に対して真正面からブツかっていき、豪快なまでに玉砕。
レスラー人生を振り返れば大分差をつけられた同期に対する強烈なジェラシーがそうさせたのか、終わってみればタダスケという存在が大いに光った一戦となった。
近年まれに見る、それぞれの良さが出た10人タッグで試合内容としては今大会随一だったような。
内藤-拳王、鷹木-中嶋、そして執拗なまでに覇王に拘る高橋ヒロム。この関係性にNEXTはあるのか。今後の動きに期待したい。

第9試合

オカダ・カズチカ、棚橋弘至

武藤敬司、清宮海斗
他の選手と比べて明らかに格下である清宮が観客に対してどれだけ印象付けられるか、それがテーマだったと思う。
果たして清宮はどうだったか。小川良成に教え込まれたチェーンレスリングをもっと見せて欲しかったし、相手を焦らせるまで攻め込む姿が見たかった。
まだまだ足りない部分があったよね。気持ちは見えたのだが。
戦前は武藤敬司が全部持っていってしまうのではと危惧されていたが、終わってみれば武藤、オカダ、棚橋の3人が清宮というプロレス界の未来を担うであろうレスラーを育てるような試合だったかなと。
試合後のオカダは清宮に対して厳しい発言があったけれど、これも成長を促す意図を含んでいたように思える。
レインメーカーになる前の過去の自分がオーバーラップしたか。あの頃はけちょんけちょんにやられてたからなあ。

総括として

やはり対抗戦は刺激的で面白いなあと。
所々、テーマにそぐわない試合とかあったけど、このカードでこれだけ盛り上がるのであればトップ同士のシングルやタッグでの激突とかヤバいんでは。
コロナ前のようにファンが声援を送れるようになる頃にまたやってくれんかね。

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